筑豊電気鉄道は、かつて福岡・北九州で路面電車として活躍した車両を改造した2000形車両について、老朽化のため2022年11月7日(月)をもって車両運用を終了します。
開業時&初代の2パターン塗装
1956年(昭和31年)に開業した筑豊電気鉄道ですが、当時は自社車両を保有しておらず、西日本鉄道(西鉄)の北九州線から借り入れた車両と同線からの乗り入れ車両のみが運行していました。その後、西鉄から福岡市内線と北九州線から2両連接車を購入し、大量輸送できるよう3両連接車へ改造の上、初めての自社形式2000形として1977年(昭和52年)から運行開始しました。7編成そろった2000形は2007年(平成19年)以降、虹の7色塗装の「トレインボー電車」へと順次変更されましたが、利用客の減少と新型車両5000形による置き換えに伴い、老朽化した2000形は順次廃車されました。
最後の1編成となった2003号は現在、平日朝の2往復のみという限定運用で営業運転しています(現行の運行時刻表は下の図表を参照)。2018年(平成30年)に復刻塗装へと改められ、開業時の塗装「西鉄マルーン&ベージュ」と、初代2000形の車体色「黄電(きなでん)」の2パターンによる塗り分けという大胆なデザインで人気を博しています。この車両の運行終了をもって、登場時に路面電車として運行を行っていた車両はすべて引退することになります。
思い出は引退ツアーで
2000形車両の運行終了に伴い7月10日(日)〜11月6日(日)の間、貸切車両として乗車体験ができる引退記念ツアーが計19回開催されます。運転体験や写真撮影、ペーパークラフト製作ができるコースや、甘木鉄道、平成筑豊鉄道の車両乗車や車庫見学も一度に楽しめるツアーなども開催されます。11月5日(土)・6日(日)はフィナーレイベントとして出発式が行われ、ツアー参加者のみが参加できる鉄道部品販売会も開催予定です。
なお、引退ツアー参加者限定の記念品として、申込先着順500名までの方に2000形オリジナルのnimocaとパスケースのプレゼントが用意されています(ツアー内容、日程、記念品などの詳細は上の図表を参照)。
筑豊電気鉄道は、地域の方々や鉄道ファンなど多くの方に愛されてきた2000形車両が役目を終えるにあたり、最後の勇姿をぜひ見てほしいとコメントしています。